2005年1月10日

「先行デザイン宣言支持宣言」

金曜日。
通勤帰路、田中さん強力お薦めの10+1最新号(No.37)を買った。特集は「先行デザイン宣言」。宮本佳明さんの「環境ノイズエレメント」研究チームと中谷礼仁さんの研究チームがタッグ組んだプロジェクトである。宮本さんの「環境ノイズエレメント」は以前から興味を持って拝見していたものの、それを「発見」って言われてもなあ、と思っちゃって(ラ系にしてみたら、あえて騒ぐようなサブジェクトだとも思えなかったので)、いまひとつ食指が動かなかったのだが、田中さんが何度も「読んで下さいよ」と言うので。ま、買ってみたのだった。相変わらず字は小さいし、混んだ電車のなか、疲れ目で読むには不向きな本だ。前半、面白そうな論文もいくつか目に留まるが、後回しにして特集記事を開いてみる。

・・・こここ、これは面白いじゃないか!(だからそう言ってるじゃんか)
これは久し振りに「瞠目」という感じのものに当たったぞ。プロジェクトの具体性・個別性と、抽象性・普遍性のバランスもいいし。中谷チームの埋め立て地の改造計画(東京キャナルで埋め立てに参加したメンバーは必見)だけは、ちょっとこれは何だかな、と思ったのだが、記事の締めくくりに岡崎乾二郎さんがそこをちゃんと厳しく突っ込んでいて、それがまた腑に落ちる。冴えてる。推す。思い浮かぶことがありすぎてすぐには書ききれないが、とりいそぎ「先行デザイン宣言支持宣言」。


日曜日。空は澄み渡り、乾いた冷風が欅の梢を揺らし、絵に描いたような関東平野南部の冬日。
ベビーカーを仕立てて親子4人で散歩に出かけ、国立天文台のほうへ崖線を大沢に沿って下り、調布飛行場の「プロペラカフェ」で昼食をとった。ここは格納庫の一角をカフェにしてあるような、というかきっとそのまんまなんだろうが、その無造作な感じが好ましいし、片隅で売られている「航空系グッズ」だの、本格的なフライトシミュレータだの、コアな航空ファンの世界への入り口を垣間見させてくれるし、食事もそこそこおいしいし、子供連れでも気兼ねなく行けるし、よいお店である。

調布飛行場一帯は、周囲から取り残されたような、戦前からあまり骨格が変わっていないんだろうと思わせる、わりと「なま」の風景がむき出しであるような雰囲気があり、しかし地図を見ると行政境界と地形とインフラの残滓が奇妙に絡んでいたりして、それこそ環境ノイズ的にはなかなか魅力的な場所である。

息子は間近で離着陸する小型飛行機に驚喜し、チョロQみたいにゼンマイで動く飛行機のおもちゃを父親(僕)に買わせた。いまは布団に持ち込んで一緒に寝ている。

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コメント

プロペラカフェへ向かう道路が分岐する辺りの道は、昔は空港構内だったんですよ。門柱がいまでも残ってます。
というか、昔は空港に大した柵もなく、滑走路や、戦時中そのままだった格納庫も入りたい放題でした。セスナの操縦席に入り込んだり。滑走路の端でラジコンしたり。

ああ、あれ、空港の「門柱」だったのか。横の排水溝に架かってるコンクリート橋も古そうだなあ。
僕の生まれは京都なんですが、両親の実家が調布だったため、子供の頃からよく来てました。さすがに格納庫には入らなかったけど、そのへんに牛小屋があったりした風景はよく憶えてます。

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