線路際緑観察計画 railside green map project

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「レールサイド・ガーデン・プロジェクト」
−−都市のライフラインに生きる生態系の記述の試み−−

あらためて眺めると、線路ぎわは野草、園芸植物を含む「緑」がとても豊富なエリアです。

線路沿いの土手や、駅に付随した空き地、引き込み線の間にできている空白の荒れ地、これらは毎日の通勤途中で眺め、実は日々の中で空間的にも時間的にも最も大きいかもしれない「目に触れる自然」なのです。

線路ぎわはとても面白い場所です。人が踏み荒らさないのに、一定のゆるやかな管理がされている。まとまった距離で連続している緑、というのも、実は(特に都市部では)貴重な存在です。

この線路ぎわの生態系について、「道ばたの野草図鑑」のようなインデックスを作ってみたいと思います。生命力たくましく生えている雑草の群落、人が荒らさないために保存されている野草、鉄道関係の人や沿線住民が植栽した観賞用植物も、その管理も含めて全て「線路ぎわの生態系」として並べてみたいのです。


植物のエキスパートによる若干の能書き

鉄道沿線は昔から帰化植物のセンタ−として知られ、ここを中心に全国に拡がった種類が、特に以前には多かったようです。 現在ではそのような帰化植物以外に人為的に植えられた植物、園芸植物などを加えて極めて多彩な植物群落を形成しています。いわば在来の植物がほとんど見られない特殊な植物群落が見られます。そしてこの群落のもう一つの特徴はそれが人の眼を楽しませると言うことでしょうか。電車の中から一瞬見る植物により、心のうるおいを感じ、季節感を感じるということです。都会のオアシスといっても過言ではないと思います。(M氏)

特に山の手線沿線には、 比較的大きな面積を持った土手が多くあり、ここに武蔵野の名残というか、雑木林や、その縁に見られる在来の植物が保存されていることにも注目しています。たとえば、アマドコロ、オカトラノオ、クサボケ、ノコンギクなどが見られる所があります。あるいはありました。なくなっちゃった所も多いですが。また、草刈りが行われる時期についても注目しています。たとえば、ムラサキハナナを例に取ると、この植物は越年草ですから秋に発芽して越冬し、春に花を咲かせ結実して枯れてしまいます。結実した後に草刈りが行われれば多くの種子を残すことができますが、 開花直後に草刈りが行われれば種子を残すことができなくなってしまいます。人為的な活動が植物の消長に、どう影響を及ぼすのか興味を引きます。(T氏)


観察会の実施

以上のようなわけで、線路際の緑マップ付きの野草観察図鑑のようなものを作成するべく、地道に観察会の開催を始めています。「調査会」という名目ですが、事実上、線路際の雑草や木々、住宅の軒先の草花を眺めながら散歩する「町歩きの会」のごときイベントです。

地図の作製

今後の作業として、次へつなげるべく作成中です(作業者がわたくし(石川)であるために、進捗が遅々としていますが)。


第1回観察会の記録

1999年9月23日 山手線 新宿−渋谷間 参加者12人

秋晴れの午後、飛び込み参加のメンバーも加わって、新宿から渋谷までの散歩を楽しみました。歩いてみてわかったことは、線路際の緑は、「電車の車窓から見える緑」としての意味と、「都会では貴重な野草観察エリア」であるという意味と、2つの側面(楽しみ方)があるということでした。

第1回のまとめと考察(作業中)


第2回観察会の記録 @チロリside


第3回観察会の記録(準備中)


おしらせ


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線路際緑観察計画グループ 世話人:チロリ石川


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hajime ishikawa 1999, 2000