2008年10月 5日

懐かしい島。

またコアなメンツで、ずっと気になっていた、「中防」を見学した。

R0022548.jpg

中央防波堤埋立処分場にはいくつかの見学方法があるが、今回は東京都環境整備公社による個人向けの見学ツアーに参加した。
(財)東京都環境整備公社:普及広報事業
手配の労を頂いた「壁クイーン」杉浦さんありがとう。

ツアーガイドの職員さんからは、いかにゴミのクリーンな処分に先端技術が投入されているか、とか、東京が排出するゴミの量が桁外れであることや、風力発電や植樹によってエコロジカルな施設を目指していること、処分場の物理的な制約によって近い将来はこのような処分にも限界が来ること、すなわち皆さんゴミの減量を心がけるべく生活様式を見直そう、というような良い話をたくさん伺ったのだが、僕らは(言うまでもないが)お話そっちのけで「中防の風景」に魅入られていた。

R0022533.jpg

標高30m強、すでに本郷や上野よりも高いこのゴミの島は、現在進行形の「地形の生成の最前線」である。上の写真の、帰化植物に覆われた「谷間」を見て思わず「これは谷戸だ」と叫んで大山さんに笑われたが、この、埋め立て盛り土台地の境目の谷の大きさはすでに千鳥ケ淵よりも大きい。

R0022558.jpg

でも実は、僕はもっと、想像を絶するような、途方に暮れるような荒々しい茫漠とした風景を予想していたのだが、いやそれは充分に、かなり荒涼とした景色ではあったのだが、なんというか、雑草の生い茂る造成中の丘に、僕はどこか懐かしいような感じさえ抱いてしまった。

思えば、多摩ニュータウンからお台場まで、高度経済成長期とシンクロしていた僕らの世代の少年時代、都市の風景にはいつもでかい「造成地」があった。「中坊」には、近年東京から姿を消した「ナマの土地造成の現場」の風景が生きていて、これはある意味で、最後の東京の原風景である。
そういえば、未利用の空き地にヒューム管がころがっているドラえもんたちの遊び場の風景はすごく「土木的都市風景」じゃないか。

Das Otterhaus:東京湾岸丘陵地帯
 都内の大平原 - Future Description ‐何かからはみ出した、もうひとつの風景
underconstruction: 30mのサンドイッチ

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://fieldsmith.net/mt/mt-tb.cgi/778

コメント

子供のころに、練馬や千葉など各所で見かけた空き地の
初秋の風景に似ていて、懐かしさを感じます。
ここまで、広大だと東京であることを忘れてしまいそうです。

1枚目に写っているのはブタクサですよね~。あのかいいやつ。
子供のころ、あの花粉を吸ってしまうと大変なことになると
いわれて、近くで見かけると息をとめて走り抜けていました。
あの時のブタクサたちは、今やほとんどコンクリートの下に
眠っています。

最初に写真を見た感想は、「かゆそう・・・・」です。
歩くと、虫や草の汁で脚が真っ赤になりそうね。

今学期末のスライドショーが楽しみだ・・・ワクワク(笑)

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)