四国、ウェディング、スロープ
2月26日、四国報告会。
先日の四国視察出張旅行の報告会。それぞれの個性がよく現れた、興味深い出張報告会であった。僕のレポートも、幸いにも楽しんで頂いたようで一安心。
3月1日(土曜日)、勤め先の会社の部下の結婚式。
都内の、目黒川の谷を見下ろす古い屋敷を改装したレセプション施設での、絵に描いたような麗しい結婚式だった。こう言ってはなんだが、結婚式は茶番である。けれども、お互いに茶番だとわかっていることも儀礼の儀礼たるゆえんではある。めでたい。
式は、新郎新婦が会衆に向かって「誓いの言葉」を読む、という、いわゆる「人前結婚式」だった。「人前結婚」というのは、宗教や宗派や、それに伴う形式などにとらわれない、というふれこみで普及したものだろうが、あらためて「宗教的意味」を取り去った結婚式に参加すると、「式次第」のそれぞれの行為が浮き立って見えて、どのような形式や行為が「結婚式」を成り立たせる「合意されたイメージ」として採用されているのか、という点が非常に興味深かった。
会衆が整然と座り、中央に「バージンロード」が確保され、新郎が待つ前面へと、新婦の父親が娘を連れてくる。父が娘を花婿に引き渡す。このへんは人類学的にコンサバティブである。その後、前面での指輪の交換や文書への署名、宣誓などが、「司会者」のガイドで進む。このフェーズが人前式の形式的弱点だと思った。式の形式がまるっきりキリスト教(特にアメリカのプロテスタント)と同じに設えてあるために、そこから「牧師を抜いただけ」なのが目立つ。若夫婦を会衆に紹介する代理人が不在である、ということにこっちが気づいてしまうのだ。そこで、司会者が「式場の側」というよくわからない立場から、なんとなく腰低く言い分けがましく、新郎新婦にキスを促したり、会衆に拍手を要求したりすることになる。まあ、司会者の役目として「祝い事を滞りなく進行させることを請け負った」と見れば不自然ではない。でもこれもあくまで、司会者が式場付のプロだった場合の話だ。これが、雇われ友人だったりすると、「新郎新婦を会衆に紹介して認めてもらう」という作業の責任を負える人がいなくなる。
もともと、会堂に集合した会衆へのお披露目と挨拶を兼ねているキリスト教会の結婚式は、半分「人前式」みたいなところがある。地縁コミュニティと教会が関係ない日本において、牧師を権威づける「神」に代わる、若い二人を紹介する「権威」は、特に人前式の場合、どのようにありうるか。「俺の顔に免じてここはひとつ、この未熟な二人をよろしく」と、媒酌人が仲立ちするという可能性はあるが、ちょっと負担が大きすぎるかもしれない。司会者と牧師の中間くらいの、人前式用の「汎宗教的司祭」が必要かもしれない。
お色直しのための二人の中座と再登場は、日本の伝統的な結婚式の名残りらしいが、これはバージニティの喪失のサインじゃなかろうか。
「ケーキ入刀」はアメリカでもやるが、これはなんだろう。
「花束贈呈」はたぶん日本だけだが、この、最後にいきなり脈絡なく登場する「家族内のプライベートな場面」はなんだろう。とか思いつつ、不覚にも僕はここで涙ぐんだ。ううむ。人の親になるとこういうのを冷静に見れん。ということがわかった。
3月2日(日曜日)、咄嗟にワークショップ。
来期への仕込みと、あと少し思うところもあって、「都内でいきなりフィールドワークをして、息もつかずに半日でプレゼンまで、手描きのみ」という「咄嗟にワークショップ」を誘ったところ、関東学院大・建築学科の「デザインスタジオ2」を履修した学生たち数名と、農大の造園3年(この春から4年)数名が集まってくれた。
テーマを「坂」に決め、休日の職場の会議室を占領し、まず「坂ってなに?」というディスカッションを小一時間。それから手慣しに「坂を描く」という練習を少しして、屋外へ出て1時間ほどそのへんをバラバラに歩き回り、また集合して、机上でアイデアを絵にし、ざっとレビューをしてから残り1時間でA1の紙に「成果品化」。
皆、けっこうちゃんとついてきたので驚いたのだ。これが。
まあ、農大生は今度4年だし、学院大も手を動かすにポジティブな連中が集まったから、この手応えを普通だと思ってはいけないのだが。
ともあれ、予想した以上に面白いワークショップであった。「助走」すればみんな手が動くし、それなりに描けるということもわかったし。
学院大が対象地の表層的な形態に注目して加工するアイデアが多く、農大は対象地の「環境の質」を高めて地域的貢献をしようとする(そういう意味を付加しようとする)傾向が見えて、それも興味深かった。つきあってくれたキッズ、ありがとう。


コメント
結婚式について、ずいぶん分析しましたね!
わたしの時にされなくてよかった!?
ウチは、「花束贈呈」「親への手紙」は両母の反対により、しませんでした。(わたしもやりたくなかったけど)
母曰く、「そんなの人前でやるな!家でやれ!!」だそうで。
結婚式はいいけれど、でもやっぱり結婚式業界に牛耳られない、もっとゲストを身近に感じられる結婚式がしたかったなぁ。。と、いまだに思うわたし。
わたしもSさんの結婚式、出たかったなぁ。。。
Posted by toko at 2008年3月10日 17:52
>わたしの時にされなくて
あのときはスピーチ頼まれていたのでそれどころではなかった。。。
でも、じゅうぶんに「ゲストを身近に感じられる結婚式」だったと思うが。
Posted by 石川初 at 2008年3月10日 18:09
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