怒濤の梅雨明けから残暑まで(抄)。
調布駅前に借りていた、妻の事務所を引き払った。ワゴン車を借りて、僕独りで荷物をぜんぶ運んだ。荷物のほとんどは段ボール箱に入った本と書類であって、腕が抜けるかと思った。他に、作業机にしていた分厚いコンパネ板とか、スチールの本棚とか。下手に休憩したら続かなくなると思い、午前中に一気に片づけた。ワゴン車で新居へ運び、荷物を部屋へ運び入れて、そのまんま床にひっくり返って1時間ほど仮死状態のごとき昼寝をした。
短い連載コラム記事で、当初、元永さんが相談を受けたものだったのに、メールで田中さん佐々木さんらとあーだこうだやり取りしていたら、磯さんからご指名が来た。文字数の制限と、無理なコジツケを文章にするのに七転八倒した。「以前の記事を送ってください」とお願いしたら、本江さんが書かれた「オフィスからワークプレイスへ」という冴えた文章が来て、それ読んでますます進まなくなった。
田中浩也さんらからまたお声かけ頂いて、去年と似たようなネタで「出張スライドショー」。ただ、聴講する学生は入れ替わっているとはいえ、まったく同じだと僕自身が飽きるし、なんか失礼なので、今回は事前に「複数のGPSで、青山霊園を一気にグリッドでトレースする」という「仕込みワークショップ」を6月16日に行った。
講義当日、用意したスライドが予定枚数を大幅に上回ってしまったため、少し速めのペースで喋ったら、大幅に時間が余ってしまい、造園学会で使った出し物を見せたりした。大汗かいてしまった。
脇田玲さんには初めてお会いした。
去年もそうだったが、講義が終わってからカフェで田中さん、中西康人さんたちと雑談するのが非常に楽しいのだった。「ビッグブラザーの知ろしめす社会に出現する、オープンで穏やかなランドスケープ」。
彰国社の神中さんからお知らせを頂いて、速攻で予約して行った。楽しい企画であった。実は、宮本さんにお会いするのは初めてであった(いや「実は」もなにもないんだが)。イベント終了後、興奮した僕は、宮本さんGPSですよGPS!と押し売りして、辟易させてしまった。廊下で、デニムのオーバーオールの巨漢から声をかけられたら、中村謙太郎さんであった。「コンフォルト」の豊永さんとか、「東京人」の田中さんとか、「10+1」の飯尾さんとか、やけにエディター率の高い会場だったなそういえば。
引っ越し業者をいくつか当たったすえに、地元経済に貢献すべく、キューピー引っ越しセンターに依頼した。会社のウェブサイトを見たら、この運送会社は調布に工場がある「キユーピーマヨネーズ」とはぜんぜん関係なく、そればかりか、商標をめぐって裁判まで起きていた、ということを知った。
次号の特集が「地図」なのだそうだ。
「家財」の引っ越しの1週間後、知り合いの造園業者に頼んで、旧居の「庭」の植物群のいくつかを新居の庭へ引っ越し。移植には最も悪い季節で、実際その後、数本は枯死してしまったが、まあ仕方がない。
さようなら深大寺北町草庭亭。楽しい8年間をありがとう。
「新建築住宅特集」の原稿は、先日の環境ノイズのイベントのレポートを書け、というもので、宮本さんご本人から電話を頂いてご指名があり、ううむ、お引き受けし、いかにも僕が書くような調子でカジュアルに書いていいでしょーかと先に言い訳しておいて書いた。
というか、別な原稿のネタにすべく、先日行って面白かった展覧会や、そこに忽那さんが出展していた作品など(これについてはまた日をあらためて書いておきたいことがいろいろとある)について電話で話を聞いていたら、実はいま、東京に出張しているので、今夜、食事でもしながらどうです、という展開になり、新宿で落ちあって、なぜか「調布市民」ほかURの新鋭たち(2人)が同席し、結局大阪行きの新幹線がなくなって忽那さんが帰れなくなるまで話し込んだ(あのあと、彼はどうしたのだろうか)。飲み会後半、忽那さんが、石川はいろいろ言うけど実際にどういうものを作ってるのかぜんぜん見えないと「上のほうの人たち」を含めて関西ではもっぱらの評判である、もっと自分の作品を大々的に発表して批評に晒せ、とテーブル越しに詰め寄り、僕はいつものように、どうしておまえは酒が飲めないんだと責められた時と似たような気分になって、うるせえ、俺は自分が設計に関わった仕事を「作品」とか呼ぶようなスタンスで仕事してねえんだよ、それぞれやり方も違うだろう、文句があるんだったらその「上のほうの人たち」を連れてきて表へ出ろ、というような趣旨の答えを(ずっと穏やかな言い方で)し、忽那氏は、ダメだ、それは「逃げ」だ、若い連中にこの分野への希望を持たせたいんだ、と言い、僕は、やだね、俺はこの分野と心中する気はゼロだね。もう住宅ローンもあるし。と答え、忽那氏は「一度大阪へ来い」と言い、「おう、いつでも呼べよ」と僕は答えつつ、死んでも行くもんかと心に誓った(←ま、それはウソだけどよ)。
「徒歩帰宅」は、この「連載」のネタなのだった。連載のオファーをもらったのはもう数ヶ月前だったのだが、いやー、連載してまで誰かに伝えたいような思いなんて、ないです最近、などと言っているうちにいつの間にか「そういう話」になってしまっていて、これからいったい僕はどうしたらいいのでしょう。さしあたって、次は自宅のキッチンのうしろの棚を土曜大工しなきゃ。


コメント
建築雑誌の件はなんか無理矢理ですみませんでした。そして徒歩帰宅の際の原稿お手伝いもそのままになってしまってすみませんでした。以上、すみません二連発ですみませんでした。今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by もとなが at 2007年8月22日 13:25
こちらこそ、「またメールします」と言っておいて、なにもせずにすみません。
Posted by 石川初 at 2007年8月23日 19:15
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