2007年2月25日

調布・直売スタンド地図

土曜日、子供らにせがまれて調布市の図書館・深大寺分館へ行ったら、「ちょうふとれたて 農産物直売マップ」(調布市産業振興室、2007.1)という冊子が置いてあるのを見つけた。

持ち歩いたせいで少し汚れているが、こういうもの。

現在、調布には309戸の農家があるそうだ。この冊子には、そうした農家が出している直売スタンドの場所をけっこう詳細な地図にプロットした地図と、それぞれの農家の連絡先、主な販売品目、休業日やシーズン、さらに「朝取り新鮮野菜!」とか「有機栽培!」といったセールスポイントが記されたリストが掲載されている。

これは何だか面白い。
というか、地元の市内で、何かが分布している様子を網羅した地図が手元にある場合、それは出かけていって全部見て回らないといけない。

地図は、市域を9つに分けていて、それぞれのページに場所が記載されている。まずは、自宅に近い「エリア4」と「エリア3」の13箇所を回ることにした。

自宅に最も近いスタンド。これはこのマップには載っていない。季節柄、販売品がなくてちょっと寂しい。

掲載スタンドで自宅に最も近いもの。いかにも深大寺北町らしい風景。

武蔵境通り沿いにあるスタンド。というか立派な売店。

観音開きのドアつきスタンド。農園のロゴつき。

見ると、監視カメラが。無銭持ち逃げへの警戒と警告なのだろう。ダミーかもしれないが。この、「野菜の無人売店」という牧歌的な施設と、「監視カメラ」の殺伐感のギャップが何ともいえない。

棚にはなぜか、聖母マリアの像。いかなるコンセプトなのか。田園/監視/慈悲。

建物にくっついたスタンド。これも「無掲載物件」。以前、このスタンドには「盗んだものを食卓に乗せるのですか!!」という張り紙があった。

このスタンドは、地図とは違う場所にあった。見ると、キャスターがついて、ワゴン状態になっている。もしかすると、移動無人野菜販売スタンドなのかもしれない。

これは神代植物公園の正門近くにあるスタンドで、切り花やサボテンを売っている。

ブドウ狩りのできるブドウ園。消防大学通り沿い。

深大寺東町。

門壁と一体になったスタンド。

これは、門から少し入ったところに設置されている。

深大寺南町の、中央高速沿い。ここは有人の売店で、ほとんど八百屋さんのような店構え。

佐須町の、晃華学園の傍。

佐須町四丁目。佐須街道沿い。

生け垣と一体にデザインされている。スタンドの屋根の素材が波板なのがちょっと惜しいが、これはキレイだ。

背景の屋敷林を含む全景。「調布農産物直売スタンド景観賞」を差し上げたい。

景観賞物件に敬意を表して、調査員1号がキャベツを購入。

本日のログ。

佐須街道沿いには、他に2つ、スタンドがあった。
みんな、正しくお金を払って、農家の直売モチベーションを高めましょうね>調布市民。
次回は、地元では有名な、調布ヶ丘の関森ファームを含むエリア5,6あたりを攻める予定。
それと、調布市生活文化部産業振興室は、グーグルマップにプロットしたものを市のウェブサイトに公開することを検討するように。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://fieldsmith.net/mt/mt-tb.cgi/621

コメント

僕もつい先日この地図帳をどこかで発見してもらってきました。市はあまり宣伝する気は無いようです。
無人販売所分布には当たり前ですがかなりの偏りがあって、僕の生活圏にはあまり多くありません。夕方には閉店しちゃうし。

布田駅東の線路沿いにコインロッカー型の無人販売所がるのですが、せめてここだけでも24時間にしてくれるとほんとに助かるのだけどね。

「ふきのとう」の背後の聖母子像は、昨年秋、島原・天草で見てきた「マリア観音」の数々(その内実は鬼子母神や慈母観音菩薩だったが)そのものだね。聖母のようにも観音様のようにも見えるのは、母なる大地を表徴する地母神像の持つ記号の普遍性で、まさに地の収穫物を見守るのに相応しいイコンとも言える。「この像の御前で、あなたは地の恵みを盗めますか?」という無言の圧力というのが、このコンセプト(ねらい)であらう。(「殺戮する農耕」の基礎としてこの聖母が居る... とかいう無粋な理屈はここでは繰り返すまい。)

かつてあった、立ち○ョンスポットに鳥居マークを書き込む... みたいな効果「この鳥居に向かって放尿できますか?」と似たようなものであらう(汚くてゴメン!)

>市はあまり宣伝する気は無いようです。

有機農業に関するお問合せについて:
 地元調布の野菜を購入したいのですが,市として,有機農業や無農薬栽培など体に安全な農法を推奨しているのでしょうか。そうであれば,購入できる場所も教えてください。

[市の回答]
 調布市では,有機農業の推進の一環として,有機農業に取り組み,肥料を希望する農家に有機質肥料を配布し推進を図っているところであります。
 農家で取れたての新鮮野菜を軒先等で販売する直売所が市内に60箇所ほどあり,市民の方にご好評を頂いております。直売所を広く市民の方に知っていただきたく,現在,「ちょうふとれたて農産物直売マップ」を作成中でございます。2月下旬頃から産業振興室の窓口及び市内各出先機関の窓口で無料にて配布する予定ですので,是非お立ち寄りください。
 産業振興室農政係 電話042−481−7182(直通)

調布市ウェブサイト、市民の越えあれこれQ&A(平成19年1月分)より。
http://www.city.chofu.tokyo.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC02027&Cc=7d7d7bc39&DM=&TSW=


>収穫物を見守るのに相応しいイコン

でも、これが記号として機能するってことはつまり、深大寺元町には相当数の隠れキリシタンがいるってことか。道理で、最近、クリスマスになると、他の季節にはそんな気配が絶無だった農家の庭先にまで、電飾のイルミネーションが氾濫したりするわけだ。

わあー!
僕もちょうど先週、実篤記念館に行った時にこのパンフレットを取って帰ってきたところです。
市が積極的に宣伝する気はなくても、気になる人たちは情報にありついてしまうのでしょうか!結構すごい確立だと思うのですが。。。
これってまさに都市農地の醍醐味ですよね。フードマイレージから見れば最高の消費サイクル。ちょっと上手く見せてやれば、ものすごくはまると思います。スタンド/スタンプラリーとか、ソトコトとタイアップした直売所とかどうでしょうか。
品川通りのあたりには、「多摩川梨」なる地元ブランド梨を直売するところもあります。
さすがにハナミズキは気軽に買えませんが、切花とかがあると生産風景も販売風景も華やかでいいと思いますが、やっぱり調布あたりでは難しいでしょうか。
農家がどこまで本気なのかが気になります。安い税金で自分ちの野菜だけを作っていたのでは税制上は問題かも知れませんが、こういう地元還元の意向が少なからずあるのであれば、都市農地の可能性は大きい気もします。

昔はいまほどスタンドの数が多くなくて、しかも絶対に近隣の人間しか通らないような薮の中の幅50cmの道沿いにあったりして、盗難はそんなに問題になってない感じでした。その後宅地化が進んで顧客が増えスタンドも増えたけど、世知辛くなったと。
最近はスーパーの「地元コーナー」も賑わってますが、そこに置いてある新鮮で安い野菜と、遥か遠くから運ばれて生気を失いその上値段も高いものがすぐそばに並んでいて、後者を手に取る人が少なからずいるのに驚きます。
ところで佐須街道沿いといえば、よく地下道にある路線図や出口案内なんかの看板を壁材に使った強烈な小屋があって、中に入ると一瞬にして都内地下にトリップできたんですけど、まだあるのかな。

はじめまして。私も直売スタンドをウォッチしてます。私の場合は撮影のためです。いろいろな方向から考察が可能な現代風俗だと思っています。「調布農産物直売スタンド景観賞」の物件は非常にいいっすね。

おおお。「露店の肖像」拝見しました。いや素晴らしい。
しかしなんというか、思わず応援したくなっちゃうんですよね。なぜか。無人売店の佇まい。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)