いい戸建て
日経アーキテクチュアの9月25日号。
「良い」戸建てミニ開発に、建築家の岡村泰之氏らがチャレンジした記事が掲載されていて、興味深く読んだ。僕の住む調布市のような、都市とも郊外ともつかない地域で、現在もっとも「景観」と「環境」を破壊しつつあるのは醜悪な戸建て開発の住宅群である。ことに建て売りの住宅は、「建築」からは完全に見放されている。でも、供給側が「デザイン」を無用視しているわけでは決してないことは、外壁にむやみに乱貼りされた茶色い中国産スレートとか鋳物のアクセントとかぐにゃぐにゃのブロック積みを見ればわかる。あれは誰かが住宅を「より魅力的にする」ために「デザイン」してるのだ(そしてその結果、景観のダメージはより破壊的で深刻になる)。しかしまあ、こんなに志のある建築家が一杯いて、寄ってたかって麗しい住宅を設計してるのに、ものすごい勢いでおぞましい住宅が増え続けているのはなぜなんだ(答:建築家が絡むと、戸建てミニ開発的・建て売り的にビジネスにならないから)。ううむ。さしあたって、頑張れ「快住計画」(←とりいそぎ声援)。
コメント
とにかく、どこもかしこも建て売りホームメーカーに押さえられている。おっ!といような物件があればそこは「建築条件付き」。「建築条件」が付いていなかったら、どうやってこんなところに建てるんだよ?というような「自然条件付き」物件しかない。どうしてこうも売り地というのはないの?
でも、あのメーカー物件の「価格」は、一見するとお買い得だよ。
Posted by entee at 2006年9月29日 17:58
はじめまして、岡村泰之建築設計事務所の岡村です。「快住計画」へのご声援ありがとうございます。まちや環境は、末端から変えていかないと決してよくならない、具体的に目に見えるように表現していかないと伝わらないというのが、私の設計スタンスです。ですから、建売住宅やミニ戸建に建築家サイドから不動産業会の固定観念を崩すべく、日々あまり頑なになりすぎず、ユーモアを込めて設計活動をしております。言い続けていると、こちらを振り向いてくれる不動産業者も増えています。ちゃんと売れるなら、できればまちも良くしたいという気持ちは、設計者と不動産業者の利害は一致します。ぜひ今後も、温かい目で見守ってやってください。
Posted by 岡村泰之 at 2006年10月 2日 17:30
おお、岡村さんコメントありがとうございます。
>末端から変えていかないと
>具体的に目に見えるように表現していかないと
御意。
Posted by 石川初 at 2006年10月10日 01:30
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