テフロン・キッズ
職場に泊まり込む(もう『徹夜』というのはできない)ような1週間が過ぎて週末。
土曜日。新しく担当することになった物件の敷地の視察に、都内某所へ出かけた。
その地区は、コミュニティがタイトというか、地元住民の皆さんが地域の環境・風致に対する高い関心と鋭敏な神経を共有していて、新しく建設されるものに対して非常に口うるさく介入することで有名である。このプロジェクトは、反対運動までは起きていないものの、すでに概要は近隣に周知されていて、敷地は事実上、地元住民の「監視下」にある。そういう場所へ、デジカメなんか首から提げてのこのこ出かけてゆくという。
サメの海へボートを漕ぎ出すような気分。
そこで、子供(長男3歳10ヶ月、長女2歳1ヶ月)を連れて行くことにした。
娘を抱っこして息子の手を引き、建設予定地の周りをぐるぐる歩きながら、通行人とすれ違うたびに、「お、これはシラカシだぞ。あの高いのはケヤキだな。生け垣がドウダンだなあ。ちょっと写真撮るから、そこに立ってくれ」