2006年6月19日

フジグラ(グラウンディング@湘南藤沢キャンパス)

先週後半。
「コンフォルト」の記事の校正を返送。
その後、別な編集部の編集長から、締め切りを一旦1ヶ月も延ばしてもらったうえに、更に遅れている原稿の催促の電話をもらう。加えて、また別な企画案の相談。
「新建築」の記事の当番もそろそろ回ってくる。
もういい加減、こういうのやめにしないと、こんなペースで秋から大学の演習が始まっちゃったらもう、ほんとに身動きが。>自分

日曜日。
再来週の、SFC「デザイン言語」の講義資料(というか演目ネタ)の収集のため、慶應・湘南藤沢の田中研へお邪魔した。小雨降るなか、田中さん、池田さん、および飛び入り参加してくれた履修学生さん2人、GPS受信機やノートパソコンや加速度センサーやデジカメを身にまとってSFCをぐるりと歩き回った。お付き合い下さった皆さんありがとう。

もともと、わりと深い谷津が入り込んだ丘陵であった土地に、槇文彦氏が注意深く、敷地の起伏を活かしつつ建物を配置した、SFCはなかなか面白い地形をしている。今回は、ここが開発・造成される前の、1978年の航空写真「だけ」を地図にしてキャンパスを歩くことにした(グラウンディング用語でいう「時間差散歩」)。

写真を表示してGPSを接続し、リアルタイムで現在位置と軌跡を描画しながら、空撮に写っている農道を辿る。地表に時間の厚みが加わって見える。行く手を阻まれ、建物をよけて回り込んだりすると、パソコンに映った「30年近く昔の地面」のうえに現在の施設の輪郭が浮かび上がってくる。歩き回る自分を介して、土地の過去と現在、実際の地面と地図、といういくつもの「重層」がスパークするような、不思議なフィードバック体験ができる。これは、技術や手法をもっと洗練させたら、とても面白いワークショップになりそうだ。ただ、SFCという場所柄、それほど奇異に見られなかった(と思う)が、装置の「身につけかた」をもう少し工夫しないと、街を歩く格好としてはかなり怪しいことに。

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