2006年3月 7日

精進落としヒルズ

森ビル「表参道ヒルズ」のウェブサイトで、広報誌「HILLS LIFE」が閲覧できる。そこに掲載されていた、1920年代、造営されたばかりの表参道の写真。

すげー。V字の谷地形。一度下ってからまた上ってゆく、坂の迫力。距離から推測するに、青山通りの方向から撮影したんじゃないかと思うが、正面の大鳥居のスケールがすごい。

周囲には雑木林らしい木立以外はほんとに何もない。考えてみれば当然なのだが、こうして見ると、表参道が明治神宮という神社の一部として作られた「参道」という施設だったんだ、ということがよくわかる。

この参道は、神宮橋から、初日の出の方向に向かって設計されたそうだ。地図上の長さはきっちり1km。周囲の文脈を無視して作られたからこそ、渋谷川を強引に横切る独特の勾配を持った通りになったのだ。人工的に作られた、内苑の「森」と相まった「荘厳装置」。

このあたりは最近、ぐっと商業地区化したけれども、これはこれで、80年かけてようやく、荘厳一点張りを克服して、ちょっと俗な、マチュアな「門前町」になった、ということなのかもしれないぞ。

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コメント

昔の地図を見て想像はしてたんですけど、そ、想像通りだ…
ていうか想像通りであってもやっぱり想像とは違っていて、いいですねえ。

門前町!!!!目からウロコを久しぶりに感じました。ええ。

小林です。うわーホントにすごいですね、
大鳥居のスケールはグラフ誌「front」などで
使われた合成テクニックとかじゃないですよね。

こうしてみるとしかし、今ではほとんど聖なる遺産のごとき扱いの「ケヤキ」なんか、はかない新参者だという感じがしますね>メカ

門前の茶屋だと思って眺めれば、ヒルズにも親しみがわきます(わかない)。>黒庭師

・・・合成写真の可能性はさすがに考えませんでした。それは、いや、あり得ない話ではないが。模型写真かも知れないし。ヒルズの場合。>団地住人

すごいですね、むちゃくちゃ迫力あります。

できたばっかりの時のほうが、「偉大なる明治神宮!!!」という雰囲気だったかもしれないですよね。

橿原神宮近辺を思い出しました:
Web上で地図を確かめましたら明治神宮(外苑との合計)の面積と
畝傍山まるごとの橿原神宮とは同じぐらいみたいです...
(平安神宮とか吉野神宮はちょっと小さそうです...)

サイトの「アバウト表参道ヒルズ」(アバウトって・・・)タブの中の時系列ムービーもなかなか面白いです。終戦時の焼け野原もきちんと描かれてるし。そういや西参道というのもありますよね。あっちは地味なままですね。

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