2006年1月22日

トンネルになさいますか高架にしますかご一緒にポテトはいかがでしょう

日本橋首都高にオブジェクション!-“美しい”景観を考えるブログ

うわ。これ↓はダメですよこういうのは。鳥生さん。
建設総合サイトKEN-Platz:景観に関するアンケート
あなたはまちづくりと景観のために、日本橋の上に架かる首都高速を移設することに賛成ですか。(yes/no)

「あってよい/消せ」の2択にしちゃうのはいけねーよ。なんかこう、「踏み絵」みたいな扱いも気に入らないし。そういう話じゃないだろう。これは「自由記述問題」だろう本当は。メディアが議論を「喚起」するのは構わないし、そういう役目を自認してもらって結構だが、編集の負担を減らすために問題を単純にしないで、もっと話を「拡散」させてくれ。さもないと「どっちみち新しい道路にするんですけど、仕様をどうしますか」っていう、市民ワークショップの罠みたいなことに。

いや、2択が気に入らないのは、僕自身が「2択できない」からなんだろうけどな。たぶん。

僕は、木下先生の「まともさ」に、心情的には非常に近いところにいる。
スケッチ・オブ・ザ・デイ:日本橋の景観論をめぐって

一方で、総裁の気持ちはわかるし、そういう人(ウチのサカイさん含む)が多くいることも知っている。こういう微妙さはけっこう重要だと思う。
「住宅都市整理公団」別棟:高架下風景について

あるいは、隊長の「美しい景観」を「制度」にすることへの危惧。
ほっとほくりく【演台】:本気で美しい景観をつくれますか

そう考えると、エイドリアン・ヒューゼさんのアイデア、「首都高の上にさらに大きなモニュメントを作り、一方で日本橋の下の水面下に木製の昔の日本橋を再現して沈める」ってのは、この2択を超える提案ではあったなあ。どこまで本気だったかわからんが。

首都高をそのまま維持しても移設しても地下化しても、首都高を首都高たらしめている「車両ー道路系」のシステムは健在なのだ。話が日本橋に集まっちゃっている間にも、相変わらず「道路」は建設され続けている。木下さんや五十嵐さんの「あえて」というニュアンスや、総裁のセンシティブな部分が、どっちに転んでも現行システムを利する「景観の善悪」に回収されてしまうのがむかつくんだと思う。

次の学会分科会のテーマはいきなり「景観」にして、日本橋の修景計画として「思わず実現したくなるほど魅力的で、関係者がまんべんなく損をする」ような、冴えた案を作りましょうよ(もしそういうのを思いつけば)。

追記:
江戸をよむ東京をあるく: お江戸日本橋の魅力とは? その1

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コメント

石川様
はじめまして、鳥生です。先日はTB送りっぱなしで大変失礼いたしました。

私も本来は自由記述であるべきだとは思いますが、回答へのフックのために敢えて2択にしたのかな、と推測します。
通常のアンケートにある「どちらでもない/わからない」すらないところからも察するに。

なんか、「問いの立て方」がよくないと思います。だって、いつの間にあれ「あの高架は是か否か」ってだけの話になっちゃったんでしょう。

あ、決して鳥生さんに文句言ってるわけじゃないですよ。念のため。(←ここに書くのも変ですが)

 はじめまして、石川さま。小林信也と申します。
自分のブログ「江戸をよむ東京をあるく」のアクセス解析をしたら、こちらのブログからやってこられる方が何人かいらっしゃったので、こちらにお邪魔してみました。拙文を取り上げていただき、ありがとうございます。
 「関係者がまんべんなく損をする」ような案が「冴えた案」というスタンスには共感いたしました。

こんにちは。「江戸を読む東京を歩く」、勉強になります。今後とも頻繁にチェック予定です。よろしくお願いいたします。

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