Trans-Pastral
夕刻。
韓国から帰国された太田さん伊藤さんご夫妻から電話が入る。
電話は成田からで、まさに帰ったばっかり。
実は、韓国の安養市で開催された「安養パブリック・アート・プログラム」に、東京ピクニッククラブが出展していたのだ(僕は電話で『芝生移植の際の注意』を話しただけで、ほとんどお手伝いしてないんだけど)。
展示「作品」は、別な場所の使われていない芝生を切り取ってきて展示会場に設置し、その場でピクニックしてみせる、「GRASS ON VACATION」というもの。
実際の設置作業は、主催者の段取りと調整の不在のせいで大変だったみたいで、先行して現地入りしていた、デザインヌーブの樫原さんの、絶叫のごとき報告メールが(それはそれで思わず笑っちゃうような内容だったんだが)回ってきたりしていた。
でも、作品の仕上げに向かい、そのまま現地でピクニック実演してきた太田さんらによると、展示、ことに会場でのピクニックの実演は「めちゃめちゃ受けた」そうだ。これは目に浮かぶ。ここ数年の実践を通して鍛えまくった、ピクニッククラブ一流の「魅せる」ピクニックはもう、なんというか、料理や小道具から、衣装や立ち振る舞いまで、ものすごく説得力がある。
芝生をカット/ペーストするというアイデアは六本木クロッシング展以来のノリだが、写真を拝見するに、ここ最近はなんか、媒体への発表や展示会への参加など、数々のパフォーマンス経験を経るにつれて、余裕が出てきたというか洗練されてきたというか、当初の「なんでピクニックくらいできるオープンスペースがないんでえええ!」的な糾弾よりも、既存のシステムに当てこすりながらもどこかセルフ・アイロニックなユーモアも効かせて、「こんなに楽しいこと、気がつかなかったでしょ?」と「誘う」姿勢に変わりつつあるような感じがして、そうだよなあ、こんなふうに「搦め手」から攻めるほうがきっと、ボディブローみたいにじわっと「効く」んだろうなあ、塚本さんが東京キャナルで述べていた「セレブレーション」つうのはこういうことなんだろうな、と思うのだった。
いずれどこかでちゃんと発表されるはずなので、以下はプレビュー画像。写真クレジットは太田さん伊藤さん/東京ピクニッククラブ。置き手紙みたいなサインが立った、切り取られた芝生の画像が笑える。ほんとに合成写真みたいだ。



コメントする