2005年11月23日

http://ldse2005.fc2web.com

LDSE。

発表作品はどれもこれも、予想をはるかに上回る水準のもので、僕は実に楽しんだ。
渋谷川の流域全体を網羅しようとした河川環境のリニューアル計画から、緑化フェアに展示したショーガーデンの設計施工まで、スケールも内容も広がりがあったし、修士2年生がどう見ても研究室の後輩を総動員して作ったような完成度の高いプレゼンテーションから、真面目に一生懸命まとめたという感じがひしひしと伝わってくる学部2年生の作品まで、作品もバラエティに富んでいた。

何よりも、これはもう、いろんな人が何度も言っていることだろうから、ご本人たちは聞き飽きたかもしれないが、学生が主体になってこれを企画し、運営したというところに、くどくも賞賛をお贈りしたい。素晴らしい。大学生の時の僕を引きずってきて、研修のために実行委員の使いっ走りとして雇ってもらいたいくらい。

ただ、すでに完成した作品(卒業設計で一旦提出したものや、コンペに応募した作品など)が多かったためか、あまり、荒削りながら迫力がある、という感じのものがなく、総じて「ぬるい」というか、大人しく纏まっていたのが残念ではあった。「最優秀賞」をあげた作品も含めて、なんかこう、問題意識が良識的というか、射程距離が「見える範囲」にしか届いていないというか。いやそれは必ずしも悪いことではないし、むしろ、底の浅い「悪意」を感じる提案やデザインを見せられたらきっと僕は激高して罵倒したりするだろうと思うが、学生の作品展というと、どうしても「破綻しかかっていて、でも飛躍の可能性を感じるような馬鹿馬鹿しい提案」を期待してしまうので。

だけどまあ、「審査員」という係がこんなに苦しく、心の痛むものだとは。いやはや。僕はほんとうにこういうのには向いていないと思った。今度、こういう係を僕にさせる際には、出展者全員分の「賞」の枠をくれ。

それと、妙な話なのだが、今回、つくづく僕は「造園のフィールド」に立っているのだと、あらためて感じた。中津さんが、司会者の「建築学科に身を置いている立場で、今回のようなラ系展示会についてのコメントを」と求められ、「自分は建築家や造園家を育てているという気はなく、ある場所の何かをどのように解決するか、という手段として、ランドスケープや建築がある、という教え方をしているつもりだ」と答えていた。それはまあ、関東学院のカリキュラムの目指すところでもあるのだろうが、「ランドスケープ」が本来、建設産業的にどの分類に属する建設行為が行われるかということを前提にしたりはしない(どのジャンルのものをその場所に作るか、という問題設定をしない)ものである、とすると、中津さん的なアプローチは「建築でも造園でもいい」ということじゃなくて、まさに「ランドスケープ」にほかならない。「理念」としては。

しかし、実は、少なくとも何かのプロとして関与するつもりを抱いているならば、そこに「解決すべき問題」があることを読み取ること、というか、そもそも何かを非本来的であると見なす(問題を見出す)ことそのものに、既に職能がまとわりついているし、そうでなければ「問題意識」なんて抱きようがないのである。

それで、いろんな「作品」を拝見しつつ、ぼくはやっぱり「造園」の人間で、造園を手がかりにしながら「ランドスケープ」に手を伸ばそうとしているのだな、と思ったわけなのだ。
ということでひとつ。(←オチを思いつかなかったもので)

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://fieldsmith.net/mt/mt-tb.cgi/478

コメント

まあ、あの質問が気に入らなかったのよ。
既に「建築vs.ランドスケープ」的な素養が根付いている気がして。
それに、せっかくの機会なのに、全然ディスカッションする
チャンスもなく・・・
とはいえ、私のコメントは『学部生向け』であって、
院生レベルであれば、『Professional Core』は必要ですね。

全体の印象は、「つくる」ことが目的化している作品が多く
(授業の目的上しかたないけど)、「何をどう変える」かが、
見えて来なかったのが残念でした。
以前の私は、「問題解決型」のデザインを推奨してましたが、
今は「長所増強型」の教育にシフトしています。
子育ての影響かなあ(笑)

建築だ、ランドだ・・・なんてやってる間に、
美味しい仕事は、『土木』に持ってかれちゃったりして・・・
世田谷区内の土木教育に要注意(笑)

僕はまた、中津さんは「ランドスケープこそは、むしろ建築や造園のプロが一緒に座れる会議のテーブルだ」という意味でおっしゃったのかと思ったのでした。解釈し過ぎ?(笑)

「伸ばせそうな個性を見つけろ(子育て型計画)」てのは、同じことを先日、RLAの集会で宮城先生が「ラ系に今後期待される職能」として述べていました。そういえば。

「ランドスケープこそは、むしろ建築や造園のプロが一緒に
座れる会議のテーブルだ」それは、そのつもりで言いました。
でもそれを言い過ぎると、職能領域としての『ラ系』が、
どんどん手垢まみれになるかもしれません。
(ただでさえ、職能確立から程遠い状況だし・・・)

私が『学部向け』と言うのは、「デザイナーにならなくても、
十分、応用可能な提案能力の育成」を重視しているからです。
まあ『T字型』人間の横棒を学部で広げ、大学院でコアを
深める・・・ってな感じでしょうかね。

宮城殿が同じ事を・・・(?)
私が携帯ストラップを『平等院土産』に変えたからかな(笑)
誰がどこで何を言っているか、何をデザインしているのか、
最近、じぇんじぇん知らないのだ・・・(勉強しなきゃ)

土曜日、よろしくー!

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)