2005年10月30日

the thing in orange again

そういうわけで今年もハロウィン前日。

庭に出てカボチャ彫刻。
今年はちょっと手違いがあって、毎年大きなカボチャを頂いている農場からの供給がなかったため、近所の園芸店で材料を購入。

普通のランタン用のカボチャと違い、皮が固いので、けっこう大胆な造形が可能。

電動ドリルに木工用の刃をつけて穴あけ。切りくずがパスタみたいな感じ。


これは伊東豊雄さん風。


今年はどれも、抽象的な意匠になりました。


玄関先に設置。


夜。点灯。「パンチング・パンプキン」と「エキスパンド・パンプキン」。


「ホルスタイン・パンプキン」。


この灯りの色を見ると、晩秋の実感が湧いてきます。

ハロウィンおめでとうございます。

まわりぶろぐ: Halloween News Updates (10/30/'05)

2005年10月25日

Get the B__ch, Girl.

先週の金曜日。金曜の京王線最終電車は、乗客の大多数が酔っぱらっているので、車内がおぞましく酒臭い。みんなぐらぐら揺れてちゃんと立てないため、朝よりもずっと少ない人数なのに、一人一人の専有面積が増えていて、やらたと「混む」。新宿を出たときにすでに混んでいるが、明大前で井の頭線に接続し、ここで渋谷方面から酔ったガキどもがなだれ込んで来て、事態が更に悪化する。

僕はドア近くの座席の脇の手すりに身を寄せて、なんとか本を読もうとしていた。
明大前で乗り込んで来た若い女性の頭に、あとから押し入った大学生風の背の高い男の子の肘が当たった。女性は(小柄で、けっこうキレイな人だったが)なんか虫の居どころが悪かったらしく、振り向いて男の子を睨みつけ、「なにすんだよ」というようなことを言った。「すいません」と男の子。たしかにちょっとぞんざいな謝り方ではあった。すいませんと言いおいて、すぐさま後ろを向いて、連れのガールフレンドらしい女の子と喋りはじめた。これが余計に気に障ったみたいで、「てめー、謝り方もしらねーのかよ」と女性がカラんだ。男の子が振り向いて「・・・わざとじゃねーよ」「なんだと?わざとじゃなきゃ謝んねーのか?」「すいませんって言ってるだろ」「なんだてめー、女の前でいいかっこしやがって」ここで男の子が逆ギレ。その女性もいささか普通じゃない性格なのか、あるいはよほど不機嫌だったのか、男の子を挑発し続けた。激しい罵り合いが途切れなく続いた。ガールフレンドが袖を引っぱりながら、しきりに小声で「相手にするな」という意味の事を言っているようだった。車内の他の乗客の会話がぜんぶ止まり、みんな目を丸くして(でも目を合わせないようにしつつ)喧嘩を見守った。というか聞き守った。女性のすぐ隣に立っていた僕は、次の駅で3人とも降りてくれることだけを念じた。

祈りは天に届き、千歳烏山で3人は(喧嘩しながら)降りた。ホームで女性が男の子のシャツを掴んだ。そしたら、車内では小声で男の子をなだめようとしていたガールフレンドがいきなり、「なにすんねんこのオンナ!」と、ものすごい声で罵倒しながら女性に掴みかかった。バリバリの関西弁だった。怒った関西弁というのはしかし、スピード感があって凄みがある。当事者の男の子がちょっと唖然とするのが見えたくらい、すんげー迫力。場所とタイミングをわきまえてる、やるじゃねーか関西彼女。頑張れ。そのミュール脱いで頭殴ってやれ。と関西人の僕は一瞬で彼女に加担した(心の中で)。

発車直前、ホームの騒ぎに驚いた顔をしながら、別な若いカップルが乗り込んで来た。「なにあれ」「痴話喧嘩だろ。だいたい男が悪いんだよな。ああいうの」いやー、違うんだけどなあ。と、そのとき、たしかに僕は車内の他の乗客全員と、言葉を交わさないまま「気持ち」を共有したのだった。

2005年10月24日

エコロジーとしての老子思想

火曜日。
朝5時に自宅を出て、いつもながら飛行機に乗ってる時間よりも長い時間をかけて到達する成田への道のりに悪態をつきつつ、9時過ぎのエア・チャイナで北京へ飛び、中国の国内線に乗り換えて済南へ。
黄河下流域にある済南市は山東省の省都で、人口590万だかの、経済発展著しい(そんな都市ばっかりだが)街である。今回のプロジェクト、ニュータウン建設が進行中の敷地は、山東省最大のセメント工場の跡地で、市の外れにある、広大な石灰岩の岩山だった。。。

水曜日。
一日中、図面を挟んであーだこーだ打ち合わせし、夕方に市街地へ出て植物園を見学し(なにしろ国土が広くて、都市ごとに気候が異なるので、新しい物件のたびにその土地の植物を勉強する羽目になる)、市の中心部に伊勢丹とカルフールとウォールマートがあるのを発見し、書店で地図やガイドブックや郷土資料をドサドサと買い込んで、タクシーでホテルへ戻る。
同行したクライアントの担当者(30歳の女性)と夕食を摂りつつ、エコロジーの話から老子思想に話題が展開した(老子の話は彼女が言い出した)。孔子の教えはポリティクスで、老子の教えはエコロジー(彼女がそう言ったのだ)。

木曜日。
朝一番の飛行機で北京へ戻り、僕の事務所のエージェントをしてくれている女性に合流してもらって、クライアントの本社で副社長に現地出張の報告を行う。その場で、予想もしていなかった別な新しいプロジェクトのオファーをもらって、目眩を感じつつ図面を受け取る。
OMAに勤めていて、北京在住の(CCTVの現場に貼り付いている)シライくんに電話し、お昼をともにする。クライアントの担当者、Xueさんは中国語と英語。エージェントのLuさんは中国語と日本語。シライくんと僕は日本語と英語。つまり食卓を囲んで「4人全員に一度に通じる国語がない」、という錯綜した言語状況だった。でも、歩く北京グルメマップと化しているシライくんに連れて行ってもらったレストランの中華料理はおいしかった。
Xueさんが、「なぜCCTVはあのような形状のデザインなのか」と、まともにシライくんに質問した。そんなの、お昼ご飯食べながら説明できるような話かよ、と思ったのだが、シライくんは淀みなく「コンセプト」を説明した。きっと何百回も同じような話をだれかれにしてるんだろう。
シライくんは、ちょっとイギリスっぽい、ヨーロッパ風アクセントの英語で、早口にパキパキと話す。かっこいい。それに比べると僕の英語はいかにもアメリカ中西部南部寄り訛りの「会話体」で、なんか田舎っぽい。
お昼を終えて、事務所へ戻ってばたばたと荷物をまとめて空港へ。石灰岩と老子とCCTVの夢にうなされながら最終便で帰る。いやはや。
次回、シライくんには美味しいお寿司屋さんへ連れて行ってもらう予定。

Jack-O-Earth

そういうわけで、あと1週間でハロウィンです。
今年はGoogle Earthも出たことでもあるし(←ってどういう脈絡だよ)、地球儀にしてみることにしました。

今年はまだ、比較的小さいカボチャしか手元にないので、まずは試作のつもりで。

穴を開けずに、カボチャの皮を剥ぐだけの加工で、世界地図を彫刻。


「赤道」部分で上下に分割して中身を掘り出す。


夜、キャンドルを入れるとこんな感じです。東半球。


西半球。


アメリカ大陸。


白いミニカボチャで「月」も作ることにしました。
絵柄はまあ、シャレです。ご勘弁ください。


ウサギが餅つきしている月面。


二つ並べて、「月を従えた地球」です。
The Jack-O-Earth and Jack-O-Moon。

というわけで、ようやくネタがひとつできたので、「まわりぶろぐ」にトラックバックだ!
まわりぶろぐ: 「まわりぶろぐ」自動更新のお知らせ
おお、ちょっと間に合わなかったよーだ。。。

2005年10月23日

Metro GPS Drawing

Life is beautiful: 全てのノートパソコンにGPSが載ったらあなたはどんなサービスを作りますか?

これは面白い。

面白いが、「すべてのノートパソコンにGPS受信機能が搭載されて活用されている場面」というのは、咄嗟に想像しにくい。どうしてかというと、ノートパソコンが使われている場面はほとんど、GPSが役に立たない場所だからだ。

現在のGPSは衛星からの電波を直接受信して機能する仕組みなので、基本的に「屋外」でないと動かないし(窓際でも難しい)、少なくとも衛星を3つは補足しないと位置を割り出せないので、高い建物の多い都市部では、屋外でもしばしば受信不能になる。

GPSは、ナブスター衛星群からの電波受信環境と、GPS電波の受信アンテナと信号処理機能とがセットになった「システム」であるわけで、アンテナとプロセッサが搭載された「GPS『対応』ノートパソコン」だけがあっても、「パソコン総GPS」的事態にはならない。「上空の開けた屋外でノートパソコン使っている人」はあんまりいない。

ということは、「全てのノートパソコンがGPSを活用する」ためには、まず、都市のあらゆる場所でGPSが使えるような、「位置情報インフラ」が張り巡らされていることが前提になる、わけだ。

ということは、それって、ケータイ用の補助アンテナみたいなサブシステムが、いっぱい設置されるとかして、現在では受信/位置情報取得を諦めているような場所、建物の内部とか、地下鉄とか、高層ビルの影などでも「位置情報のログ」が取れるようになっている、というわけだ。

ということはですよ、そんな環境が実現していたら、たとえばeTrexを持って、地下鉄を乗り継いで作る「GPS地下絵」なんてのが作れたりするわけだぞ。

おおおお。それはいい。

ぜひ実現して欲しい、「すべてのノートパソコンにGPSが搭載された環境」。

2005年10月21日

Cover the Hole

人孔。在山東省、済南市。


大きさも形も合ってないけれど、「なんか、できれば両方塞ぎたい」という思いが感じられるレイアウトです。


これは。どれがフタでどれがアナなのかわからない。


これは破れかぶれ。ぜんぜん塞いでない。


これは辛うじて塞いではいる。いちおう数は合っている。


こんなフタがあるほうが逆に危ないような。


この下に孔があるかどうかは未確認ですが、大きさが合ってないことだけは確実。


これはマンホールじゃないんだけど、マンホールかと思って立ち止まってしまったので。
石を貼って作った地面の装飾模様です。しかしマンホールに似てる。


両手を天に突き出して万歳をしているマンホール。


ひとり、気勢を上げている。。。やる気充分。


「シールド・インテリジェンス」。「智」と「能」を封じたフタ。
(聞くところでは、情報インフラのケーブルなんじゃないか、ということでした)

2005年10月11日

本郷のスリバチはクラスD。

去る10月9日、東京スリバチ学会フィールドワーク・本郷編が行われました。

小雨降るなか、参加して下さった皆様、お疲れさまでした。

さすがにというべきか、本郷台地に切れ込んだスリバチ地形群は、なんかこう、時間の重みというか、文教地区の香り漂う、湿っぽくも味わい深い「凹み」でした。地元自治体によって、この「下町の残存」が観光資源として意識されつつあるため、脱色アスコン舗装とか文人住居跡めぐり看板が目についたり、他の「文学系まち歩きグループ」(おおむねリタイア素人カメラマン親父と文学系マダムの混合集団)と何度も遭遇したりしましたが、それを置いてもなお、興味深い探索でした。菊坂はDカップ。

石川の個人的なトピックとしては、

1、出張中にも関わらず、仕事の間隙を縫って津久井さんが飛び入り参加。初めてお会いした。初めてお会いした気がしなかったけど。もうちょっと話したかった。

2、中央大学、中沢研より、「アースダイバー」の地図を作られた深澤さんが参加。よーし。次はぜひ、中沢先生もお招きしよう。

詳しくは、スリバチブログにて。現在、会長にブログの使い方を教授中ですので、そのうちにレポートがアップされるはずです。


これは、菊坂の底で見つけた「攻撃する園芸」。
ネコ避けのディテールだと思われる。


ナツヅタを絡ませた、典型的ツタハウス。

このツタハウスの瞠目は、ピロティの天井にまでびっしりキレイにツタが生えているところです。

グリーンシーリング。「木漏れ日の天井」。木漏れ日はないか。

2005年10月 5日

eTrex日本語カラー版発売。

eTrex Vista C 日本版
eTrex Legend C 日本版

ほほう。

値段はまだちょっと高いが、GPSMap60CS-Jと比べれば、LegendCなら4万円くらい安い。
僕はいま使ってる60CS-Jよりも、eTrexのカタチが好きなので、このシリーズがこうして残るのは嬉しい。

これも気になる。
explorist500 J

ただ、形も性能も申し分ないのだが、「explorist」っていう「名前」がいまひとつなのだ。
「エクスプロリスト」。ううむ。なんか、かわいくない。
その点、「イートレックス」てのはいい響きだ。eTrexの物体的なサイズと、機能的な「できること」と、名前の「感じ」がじつに、うまく一致してるような気がする。

GPS受信機に限らないのだが、なんというか、製品の「キャラ」に「製品名の冴え」のピントが合っているものと、そうでないものがある。いや、これ、説明しろと言われても困る、まるっきり、僕が勝手に抱く「感じ」なのだが。

たとえば、「iMac」はすごくいいと思うが、いまだに「iPod」には違和感がある。ほかに呼びようがないので「アイポッド」と呼ぶけれど、もうすこし何とかならんかったのか。iPod。「クリエ」とか「バイオ」とか「サイバーショット」とか、ソニーの製品は軒並み駄目である。「ウォークマン」なんか、昔っから名前だけが嫌だった(クリエは愛用してるけど)。「Photoshop」「ThinkPad」「Exel」は好きだ。「Illusurator」「Word」「PowerPoint」は変だと思う。イラストレーターなんか、「.ai」っていう拡張子も嫌だ。でも、「.doc」はなぜか好きだ。その線では、「.html」「.exe」なんか好きだ。「.jpg」は仕方なく使うけど、本当は「.gif」のほうが好み。

いったいどういう基準なんだ、と、だから聞かないで下さい。

2005年10月 4日

東京スリバチ学会よりお知らせ/お誘い。

東京スリバチ学会のフィールドワークは、今度の日曜日です。
10:30AMに東京メトロ丸の内線本郷3丁目駅改札口に集合ください。
当日飛び入りも歓迎。

今回、特にお誘いメールを個別に差し上げていないので、これまで参加されたかたも、どうぞ当日ふらっと来てください。

以下は予習用画像。

探索予定のスリバチ周辺地形。

しかしまあ、この神田川下流のあたりの台地と谷間の地形は急峻で過激です。

本郷周辺の拡大。等高線は2m。

本郷の台地は、けっこう切れ込んだ谷間が多く、期待させてくれます。

同じ縮尺の空撮写真。

台地上、および斜面に緑が残存しています。
谷地形のところでは、地形に沿った土地割りが見えます。

探索予定地域の鳥瞰図。

Powerd by Kashmir3D

街歩きには絶好の季節となりました!
週末の天気はちょっと怪しそうですが、
お伝えした通り、今度の日曜日にフィールドワークを開催いたします。

東京スリバチ学会 会長 皆川典久
(副会長・石川初 記)