2005年5月12日

おまえが小さかった頃に

うなぎダイアリー、5月8日

空港へ飛行機を見せに連れて行ってやったらあまりに興奮して大喜びするので、思わず買い与えたプロペラ機の玩具を、布団にまで持ち込んで、両手に握ったまま眠っていたりする息子を眺めるに、こんなに楽しかった日を、こいつはどのくらい憶えているんだろうか、案外忘れちゃうんだろうな、などと思う一方、こんなに全身全霊ハッピーになるような無邪気な楽しみはもう、僕にはこの先ないんじゃないかなどと妙に年寄りじみた感慨に耽ったりもする。

もちろん幼児は幼児なりに日々の困難に当たりながら生きているわけではあって、間もなく1歳になろうとする妹が、最近、急速に表情が豊かになり、やたらと動きが出てきて、周囲のオトナたちの気を引くようになったことに危機感を覚えているのか、あるいは単に保育園のクラス替えによる環境の変化に不安なのか、あるいは最近、休日も自宅で忙しく仕事をしていたりする父親に不満なのか、あるいはいわゆる「魔の二歳」のシーズンなのか、あるいはそれらが重なって組合わさっているのか、いささか情緒不安定で、わざわざ叱られるようなことをやってみせたり、朝の登園時に、爪を切れとか自宅へ戻れとか時間稼ぎのような挙に出たり、ちょっとしたことで泣きわめいたりするようになった2歳8ヶ月の息子よ。

これからも更に悩みは増大する一方だろうし、成長するに従って様々なストレスも大きくなるだろうし、嫌なことや不幸なことは、楽しいことや美しいことと同じくらいの頻度と密度でおまえに降りかかってくるだろうが、願わくば、おまえの人生のあるとき、まったく無条件におまえを大事にし、おまえがいることが何にも代え難い喜びだった人たちに囲まれて愛されていた、ということが、おまえの生の励みになるように。

(でも差し当たって、おしっこは「先に」教えるように。)

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あれー、なんかカウンターが妙にまわっているなぁとおもっていたら、8日のエントリに石川さんからリンクを貼っていただいていたのでした。((ありがとうございます。&g... 続きを読む