・パラコート耐性ヒメジオンは農地に憚る。
打ち合わせに出向くと、時おり、こんな程度のことで呼び出すなよって思ってるだろ、みたいなことを言う人がいらっしゃるんだが、僕が実際にそう思っているかどうかはともかく、思わず「思ってます」と「言わずにいる」ことに費やされる精神的な努力とストレスがプロジェクト全体の生産性を下げていて、そんなこと言う本人にとっても、自分が死にかかったりしてるときに見舞いにきてくれる人を減らしてるだけだ、というようなことに、どうせ思い至らないんだろうが。そもそもそういうことを言う人は。
などとついコボしてしまったのは、今朝、長男が急に扁桃腺を腫らして発熱し、僕が娘を保育園に届けることになり、雨が降っていたので自転車が使えず、かといって保育園は開園時間が決まっているので早めに届けるわけにもいかず、バスも遅れていて、径路を変えて2本乗り継いで保育園にたどり着き、娘を置いて、そこからはタクシーを拾って駅へ向かい、時刻表を調べて、定期と違う径路で電車を乗り継いで出社したにも関わらず、ぎりぎり遅刻しそうだった会議が結局午後に変更されて、僕の今朝のハッスルが無駄になった、という腹立たしい事態に遭って神経が過敏になってるからかもしれないのだった。あのなーてめえ。余分にかかった交通費を返せ。
今週の通勤本:
■恵泉女子学園大学園芸文化研究所報告「園芸文化」第1号、第2号。
恵泉短大の園芸生活学科が廃止、大学に統合されるにあたって、恵泉の「園芸スピリット」を継承する目的で設立された、園芸文化研究所の紀要論文集。これが、なかなか面白いのだ。「異国趣味と人工性のはざまで—近代ドイツにおける室内植物愛好の変遷」とか「19世紀英国における園芸文化の大衆化の研究」「緑化制度が戸建て住宅地の街路空間に及ぼす影響に関する研究」「日本における宿根草花壇の可能性について」なんて、ずいぶんいいところを突いたタイトルが目次に並んでいる。編集後記によると、今後は「日本の生活の中での園芸」や「フラワーアレンジメント」などをテーマにした研究も載せたいそうである。楽しみ。
■浅野貞夫・廣田伸七編著「図と写真で見る 似た草80種の見分け方」全国農村教育協会、2002
■伊藤一幸「日本雑草学会ブックレット 雑草の逆襲」全国農村教育協会、2003
前者はタイトル通り、一見して区別の難しい雑草や野草を見分けるポイントの解説が満載された本。これを持ってフィールドへ出れば、ヤブタデとイヌタデ、ヒルガオとコヒルガオの違いを観察することができるのだ。お手元に一冊、どうでしょう。街歩きの最中に、オオアレチノギクとヒメムカシヨモギの違いを解説してくれる建築学科の学生がいたりしたら僕は文句なしに尊敬する(僕だけかもしれないが)。
後者は、近年、頻出するようになってきた、除草剤抵抗性を持った雑草に関する解説書。まだ目次を眺めただけだが、ちょっと凄そうだ。
全国農村教育協会は、「帰化植物ハンドブック」なんて魅力的な図鑑を出していたりして、僕のお気に入り出版社のひとつである(僕は帰化植物友の会の会員である)。農業的見地からは、「雑草」というのは農地での作物以外の植物のことであって(というか、もともと『雑草』というコンセプトは農地のものだ)、雑草に妙なシンパシーや思い入れがない。その割り切り方が気持ちいいのだ。日本生態学会はやめて、「日本雑草学会」に入会して、年4回の「雑草研究」を購読しようかしら。まじで。