2005年4月 6日

THE BAD GUY

ついに、ブラックバスに「悪者」のマークがオフィシャルに貼られるようである。

環境省報道発表資料−平成17年4月5日−特定外来生物等の選定に係る意見募集(パブリックコメント)の結果について

僕は釣りをしないので(辛抱がないのでできない)、バス釣りの楽しみはわからない。でも、それはそれとして、釣りとは関係なく、上記のパブリックコメントに寄せられてある、『移入してから80年を経て、オオクチバスがすでに生態系の一部になっている』という指摘や、『在来種の減少はむしろ護岸整備や開発によるものだ』という意見は、しごく真っ当なものだと思う。生物の多様性を、生態系の中の生物種の操作だけでなんとかしようというのはそもそも無理な話である。なんだか、駅前の駐輪問題を解決するために、自転車のスタンドを禁止して駐輪しにくい自転車をつくる、みたいな、なんかが掛け違っているような気がする。

コメントへの環境省の説明も、やや苦しげ。

本法は生態系等に関わる被害防止を第一義に特定外来生物を選定することとしています。オオクチバスは専門家会合の検討において、生態系に被害を及ぼすものとして評価されています。オオクチバス以外の要因が存在するか否かにより、その結論が変わるものではないと考えられます。

たとえ他に(もっと根本的な)原因があるにせよ、それはウチの管轄ではないので、ウチとしてはウチの操作可能範囲に限って悪者を特定します、というのだ。立場上、こうとしか言えないのはわかる。でも、生態系は「ウチの管轄」を超えて様々な「管轄」を横断しているものだ。担当者だって、「悪い種」さえ除去すれば、護岸整備を進めようが丘陵を開発しようが生態系は守られる、なんて本気で思っているわけじゃないだろう。まあ、そういう研究はgo.jpじゃなくてac.jpに期待するしかないのかもしれないけどさ。

このニュースを報じる記事がasahi.comに掲載されているが、
asahi.com: オオクチバス規制に反対の声9万6千通 釣り業界が反発 - 社会

オオクチバスの指定については、釣り業界団体などが反発。意見募集の際に、同省に指定反対の意見を提出するようホームページなどで呼びかけていた。

これじゃあまるで、「釣り業界団体」がその利益のためにいろんな意見を集めて反対させたみたいに読めるよな。反対意見を見る限り、寄せたのは釣り愛好家や業界関係者ばかりだとは思えない。だいたい、そんなこと言うのなら、相当数の自然保護団体が、あけすけで強烈なブラックバス撲滅のキャンペーンを張ってるじゃないか。

ところで、「パブリックコメント」にあった、キレたバッサーの「意見」:

指定に反対。釣りを続けたいので、もし指定された場合は、代わりにタイリクスズキを放流して釣りを続けます。

・・・そうやって喧嘩売るから敵視されるんだってばよ。

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