2005年3月23日

GPS破損。

先週末。父母、妹の家族5人、我が家4人、の、オトナ6人コドモ5人による家族小旅行に、館山へ。

南房総は、かつて単車でツーリングに出かけ、フェリーで富津へ渡って海岸線沿いにひたすら走った、えらく遠いところだという印象を持っていた。でもいまは、アクアラインを渡り、そのまま館山高速道路へ入って南下すると、途中、未開通の部分で多少の混雑はあるものの、旅程はびっくりするくらい短くなった。高速道路の開通は地理感覚を改造してしまう。

新しい高速道路には、土木の最近の技術や思想(というと大げさだが、設計の『方針』のような)が反映されていて、なかなか面白い。館山道は、造成法面はすっきりと吹き付け緑化だし、立体交差のたもとは金属メッシュの土留めだし、ガードレールや道路境界のフェンスは亜鉛メッキむき出し色だったりして、一時期、公共土木物の表面を浸食していた、橋桁に色塗ったポップアート攻撃や、郷土のシンボルキャラ攻撃や、擬木擬岩化粧型枠焦げ茶色塗装の「自然物擬態」攻撃が影を潜め、簡素でなかなか好感が持てる。工事費用の節約のために、橋梁に色塗ったり電球付けたりする「デザイナー」を起用できなくなったのかもしれないし、それはいいことだ。土木構造物の醍醐味は、ぎりぎりまで練りまくって削り出した「標準断面」が織りなす「遠景」にあると思う。土木が「中景」に関心を持ち始めるとろくなことにならない(ことが多い)。

房総半島の東海岸の風景は、富津を過ぎて、鋸山を回り込んだあたりから俄然、様子が変わってくる。地形は急峻になり、波が荒くなり、植生の雰囲気ががらりと変わる。東京湾岸と太平洋沿岸の差だ。東京からこんなに近いのに、東北や北陸よりもずっと趣の異なる、ほとんどエキゾチックな感じがする。

国民休暇村『館山』に泊まり、翌日は半島南端をひとまわりして帰った。楽しいドライブだった。『フラワーロード』を過ぎてから白浜の手前くらいまでの海沿いの道は、カリフォルニアのハイウェイ1とか、17マイルドライブを彷彿させるような、ちょっと荒涼とした砂っぽい景色に、房総の漁村の片鱗が添景をなしていて、時おり建っているばかな南欧風のホテルやゴルフクラブや安普請別荘さえなければ、すごくいい風景になりそうな地域である。どうして観光地はああいう、ばかばかしくもわかり易い意匠をまとってしまうのか。灯台の先、海に突き出した岬状の敷地に、建て売りのような住宅が建っていたけど、ああいうの、オープンコンペとかにすれば、あのロケーションだ、低予算なのにかっこ良い住宅のアイデアが全国から寄せられるんじゃないかと思う。惜しい。

と、じつに気分よくドライブしていたのだが、休憩を取った際に、車の屋根にひょいと置いたGPSMAP60CS-Jのことを忘れて発進し、しばらくして気がついて引き返してみたら、車道に落下して他の車に轢かれたらしく、「GP」と「SMA」と「P60CS-J」くらいにバラバラになって路上に散乱しているのを見つけ、がっくり落ち込んで肩を落としたまま帰路についた。しくしくしく。現在、箱に詰めた欠片を製造/販売元のショップに、「有償修理」依頼とともに送り中。たぶん、規定料金で「取り替え」になると思う(あれは『修理』するレベルではなかった)。

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コメント

そそそそそそれはもしかして買ったばかりのピカピカのカラーの高精彩の高性能の小鼻がピクピクしてしまうような嬉しい嬉しい最新鋭機ですか?

そーなんです。涙。
ショップに電話したら、発売後間もないので、まだ「修理依頼」が来たことがなかったとか。SPA初の修理が「本体バラバラ状態」という。

ご愁傷様です。だがそれは、インプレスのケータイWATCHのTHEクラッシュへ投稿するべしという、何かの啓示かも。新聞・ラジオ・テレビとメディアへの露出がついに、ネットでのメジャーデビューを誘っているのではないでしょうか。なに、そんな自虐的なことはしませんかそうですか。

うわー!あいたたた。>theクラッシュ。
知りませんでした。写真撮っておけばよかった。
(でも、その場ではそんな心理的余裕はなかった。。。。)

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