2005年1月16日

ホソバトゲカラクサイヌワラビ(ワラビ科)

金曜日。
「10+1」30号、「都市プロジェクトスタディ」を買ってくる。都市連鎖研究を漁るため。しかしこれはいいものを見つけちゃったなあ。しばらくこれで精神的に食えそうだ。問題は、街や地図を何気なく眺めても、つい「これは都市連鎖だな」とか「おお、これは環境ノイズじゃないか」などと思ってしまうことだ。いや別に「問題」じゃないんだが。つまり、こういうふうに「使える補助線」を得るのは嬉しいが、僕の場合、自分なりの「接近方法」を借りてきた鋳型に嵌めて納得したような気分になってしまうことが多いので、気を付けないといけないのである。

ついでに書店の医療関係の棚を物色。最近、医療、というか「健康・保健」のシステムに興味が湧きつつあり、なんかこう「保健とは何か」というような、背景と歴史と現代の状況をざっと俯瞰できるような入門書を探していたのだが、「保険と医療の人類学(世界思想社、2004)」という本を発見。題名に惹かれて手にとってみると、「石川信克/尾崎敬子監訳」とあった。おおお。石川信克というのは、僕の叔父である。原題に、Applied Health Reserch Manualとある。目次や序文を見るに、健康問題は地域や文化によって様々であり(それはそうだろう。健康という概念も文化によって異なるだろうし)、単に西洋医学的方法を持ち込んでも破綻する場合があり、そのために「途上国や異なる地域の保険向上の支援」のためには、人類学的な調査をもとにしたアプローチが必要である、ということを勉強するための教科書のようである。迷わず買う。

帰宅したら、東京大学出版会から「新刊の案内」が届いていた。
限定200部、全8巻セット、新装版「日本のシダ植物図鑑:分布・生態・分類」。「日本全国の実態調査で収集した、約900種、20万近い標本をもとに、日本産シダ植物の全貌を明らかにした画期的な植物図鑑」。セット価格、税込み22万500円。広告には、実物大の内容見本ページがついている。分布図と証拠標本の所在リストがすごい。これを見れば、ワラビ科のフトモシダ Microlepia marginata (Panzer) C. Chr. の全国的分布がひと目でわかるのである。。。俺がわかってどうする。それにしても、22万円じゃあ、会社に言っても買ってくれないだろうなあ。いったいどのようなマーケティングリサーチに基づいて、こんなコアな本の案内を僕の自宅に送ってくるのであろうか。東京大学出版会。面白いからいいけど。

土曜日。
あるプロジェクトの打合せのため、仙台の八重樫直人さんらが、わざわざ調布までご足労下さった。妻の事務所の打合せコーナーを使わせてもらったのだが、間抜けにも僕が鍵を忘れ、最初の1時間ほどは近くの喫茶店に居て頂いた。おまけに、打合せの後半、妻が子連れで事務所に現れたために、コドモが足元にまとわりついたりした。まったく、なんという。

八重樫さんが遠路(といっても仙台なんて近いもんだけど)来られたのは、このプロジェクトの性格上、「建築のありかただけを考えても有効ではない」という問題意識から、ということだった。建築にしかできないようなことを建築でやろうとすること(むろん、その際の「建築」って何よ、という議論はありうるが、それはまあ置いといて)を真摯に実践している建築家が、「建築的建築の限界」について語るのを聞くのは僕は好きである。逆にそれが、建築家が建築の何に最終的に掛け金を置いているか、ということが浮き彫りになったりもして。ただ、そういう話題はしばしば、「ランドスケープはどうでしょう?」という設問とセットになるので、ふだん「造園的造園の限界」などにあまり自覚的でない僕はうろたえる羽目になる。今回も、僕が迂闊に「こんなふうにしたら」と言った内容に対して、八重樫さんに、それは建築からすると、とても建築的にフツウに見えるんだけど、ランドスケープ的にはそういうの新しいんでしょうか、と突っ込まれ、慌ててしまった。

ま、しかし、それはそれとして、いろいろとエキサイティングな発見もあったし、楽しい打合せであった。それで、これもまた、佐藤師匠つながりなのだった。

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コメント

こんにちは。たびたび顔を出してすいません。
「庭とは何か」なんて、まだまだよくわからないのですが、近傍の学生が作庭書を電子テキスト化した成果を公開していますので、使ってやってください。
http://www.arch.eng.osaka-cu.ac.jp/%7edesign/nakatani/kozin/niwa/welcome.html
僕は植物の名前をいっぱい言える人を尊敬します。なんかかっこいい。

おおおおおお!すごいすごい!いやー素晴らしいです。ありがとうございます。
さっき、ウチの事務所内で紹介したら、どよめきが起きました。
「築山庭造伝」嬉しい。「作庭記」のイントロって、いつ読んでも鳥肌が立つなあ。
こういう「知的還元」はほんとに有り難いなあ。
(農大がこういうのやってくれないのはなぜだ? ←小声)

>植物の名前
といって、ほとんど「それ」だけなんですけどね。。。

はじめまして、こんにちは。
トゲカラクサイヌワラビを調べていたら、こちらにたどり着きました。

タイトルのホソバトゲカラクサイヌワラビとはどういったもののことなのでしょうか、どうか宜しくご教示ください。

何度もすみません。

名前どおりにホソバイヌワラビ×トゲカラクサイヌワラビの雑種なんですね。よく調べもせずに書き込んでしまいました。

自分には識別できなそうです…。
お騒がせしました。

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