2004年2月23日

スノードロップの終わりは草刈りのサイン

お春うございます>各位

土曜日、森美術館でのピクニック・ワークショップは盛況で、楽しい一日だった。

僕は伊藤さんや福留さんのようにスタイリッシュな実践者ではないし、太田さんのように都市のありかたに対してプロテストする気概を抱いているわけでは必ずしもないのだが、聴衆にオフィシャルな趣旨をプレゼンテーションしていると、説明しているコンセプトそれ自体の説得力や整合性や美しさを補強することが楽しくなってしまうのである。

(これは、仕事で計画内容を施主に向かって説得するのとおんなじだ。仕事の場合はしかも往々にして、聞く方もデザイナーの「物語」の内容を額面通り信じるわけではなく、むしろそのプレゼンテーションの辻褄の合いかたに注目している。それはそれで、必ずしも「間違った」聞き方ではないけど)

それと、今回、フードコーディネーターの福留さんのプロフェッションに、じつに新鮮な驚きをおぼえた。まあ太田さんや伊藤さんは多才な人たちだということは充分にわかったので、あらためてそれほど「びっくり」はしないのだが、福留さんが発揮する「日常的な行為や場面を気の利いたものにする」才能には(普段、そういうものに触れていないだけに特別に)感嘆してしまうのだ。福留さんのような職能がちゃんと成立するかぎり、日本は大丈夫だという感じがした。


日曜日、妻は一日中机に向かって仕事をし、僕は子供を引き受けつつ、久し振りに庭仕事をした。今年は暖かくなるのが早くて、なんだか庭全体に「芽」関係が出ている。去年、プロに手入れてもらったので、今年は草の刈り込みがいつもよりも楽だ。

我が庭の植物は草系がほとんどなので、毎年晩夏に最盛期を迎え、秋に穂の乱立になり、冬は「枯れ野」になる。早春には大部分を地面まで刈り取ってしまい、春に地面からまた生えてくるのを楽しむ。この、春夏秋冬のメリハリが極端にある様子、とりわけ、春先に全体を刈り取ってしまうのが結構好きである。毎回「リセット」してしまう潔さが、なんとなく性に合っているのである。

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