2004年2月14日

茶色と緑

会社からの帰り、水やり後の芝の調子をチェックするべく、ポータブル・ローン(「六本木クロッシング」の、東京ピクニッククラブの展示)を見に六本木ヒルズへ寄った。

太田さんたちの計らいのおかげで、僕は(芝生に水をやっているだけにもかかわらず)「参加アーティスト」として、結構長い列を作って並んでいる他のお客さんたちを尻目に、受付で無料券を発行してもらって入場することができる。以前、アメリカのHOKにいたとき、インドネシアへの出張で乗った飛行機で、チケットが何かの拍子にアップグレードされて、知らぬ間にファーストクラスになっていて、空港でいきなり赤い絨毯を踏んでエグゼクティブラウンジへ案内されちゃったときのことを思い出す。背中に大きな文字で「身・分・不・相・応」と書いてあるみたいな気分である。

芝生は、さすがに展示初日よりもずっとしっとりしていて、全体に緑の新芽が出つつあるのが見えるけれども、なかなか思うようには伸びてくれない。芝刈りの回数が半減するという、あまり上に伸びない新品種の芝を使っているためだろう。温度も申し分ないし、日照も悪くないので、あと1週間くらいしたら全体にもっと緑色になって、「芝生養生中」の札もはずしてしまえるだろうと思う。側にいる監視員の女性に断って、貯水タンクの水量を見ると、タンクの水は残り1/3くらいだった。芝生に種が落ちていたらしく、スズメノカタビラみたいな1年草のPoaっぽい雑草がいくつか生えている。面白いのでそのまま残した。

展望台フロアへ降りて、カフェで、期間限定品の東京ピクニッククラブ特製ケーキセット(五十嵐さん、あれはどうやら「クッキー」じゃなくって「ケーキ」です。でもたしかにこれはおいしい。)を注文してみた。100年前のピクニック読本のレシピを再現したケーキに、今回の展示のためにピクニッククラブのフードコーディネート班がブレンドした紅茶がついてくる。紅茶は「グリーンフィールド」と「ブラウンフィールド」という2種類があり、どちらかを選ぶ。「グリーンフィールド」は緑の芝生のなかで行う古典的なピクニックのスタイル、「ブラウンフィールド」は都市的・人工的な風景や空間のなかで挑戦的に行うピクニック、を指す用語で、紅茶はそれぞれの場面をイメージしたフレーバーになっている。でも、カフェの兄ちゃんは「お茶はグリーンとブラウンがありますが」と、趣旨のわかってない聞き方をした。それじゃまるで「緑茶とウーロン茶どちらにしますか」みたいに聞こえるじゃないか。

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