2003年11月23日

里山のサバンナの夕暮れ

土曜日はデザインヌーブの設計による「久が原のロッジ」のオープンハウスにお邪魔した。
久が原は大田区のど真ん中にある。大田区には、田園調布や千束のあたりの、古くからの高級住宅地然とした街と、蒲田や大森のあたりの、工業地帯を控えた下町然とした街があって、おおむね南北に分かれている。久が原はちょうどその「雰囲気の転換点」あたりである。「ロッジ」は主に外国から来ている留学生のための寮のような建物である。駅前から伸びる商店街の終端、角に「柳の木の交番」のある変形交差点に接している。計画道路に面しているために、道路から一定の幅で構造体が切り替わっているそうで、その部分、建物の先端はガラスと鉄骨で透明なカプセルを被せたような案配になっている。その「流線型加減」が、飛行機ほど流体力学的でなくて、船ほど無骨でなくて、ちょうどその中間というか、新幹線の車両みたいに見える。

たしかに周囲の建物のなかでは異彩を放っているけれども、写真で見たときに予想したほどは違和感がなく街並みに収まっていて、むしろちょっとユーモラスな感じもした。個人的には(個人的な感想以上の批評なんかできないのだが)こういう、張り切ってないかっこよさは好きである。入居が済んで一階に店舗が入ったときにまた見に行きたい。帰路、そこからあまり遠くないサカイさんの実家を襲撃。

日曜日は子供を連れて多摩動物公園に行き、クヌギーコナラ群集に覆われた丘陵地の狭間をうろうろしているサルやキリンやゾウやライオンやフラミンゴを眺めてきた。意外に、若いカップルが多いのに驚いた。動物園でデート。いや、いいんだけど。息子は大喜びで、ことにニホンザルが気に入ったようだった。老練なサルに比べると知恵も体力も完全に劣っているコドモを抱いて、乳幼児連れ家族の集団に混じってニホンザル集団と向き合っていると、なんというかサルとヒトが連続的に繋がっているような、動物と人間との異種間グラデーションを実感してしまうのだ。ウキッ。

動物園の近くに、新しく手伝うことになったプロジェクトの敷地があるため、視察に寄った。このへんは、今年の夏のワークショップで舐めるように調べたので、自分の位置さえ把握していれば、周りのどの尾根や谷がどういう地形を描いてどちらに続いているのか、だいたいわかる。多摩丘陵北部はまだ農地や雑木林が多く残っていて、住宅や大学のキャンパスなどの開発地とパッチワークをなしている。谷の向こうに広がっている多摩ニュータウンの夜景を見ながら、斜面林の多い丘陵地帯の眺めの醍醐味は尾根筋よりも谷間の「見下ろし」だなあと思った。

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